Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

それを見ると、法水はいたたまらなくなったように、面を伏せた。

なぜなら、その一つというのは、かつてシュテッヘの研究講目だった「古代火術史」で、いまだ頁も切られてはいず、また片方の新聞切抜帖には、大戦直前における快走艇倶楽部員の移動が記されていて、艇長とシュテッヘとは、交互に反対の倶楽部へ入会しているのだった。

しかしウルリーケは、法水の謝辞を快く容れて自室へ去ったが、そうして、悪鬼の名が、瞬間フォン・エッセンからシュテッヘに変ると同時に、次に目されている二人目の犠牲者の名も、いつしか曖昧模糊たるものになってしまった。

いずれにしても、遭難の夜の秘密は底知れないのであるが、もしかして三人の盲人を訊問してみたら、あるいはその真相が判ってくるのではないかと思われた。そうして、防堤の上に記されている――もう一人を知るために、さっそく三人の盲人が呼ばれることになったが、やがて不具者の悲愁な姿が現われると、この室の空気は、いっそう暗澹たるものに化してしまった。

最初に詩人の犬射が、例の美しい髪を揺り上げて質問に答えた。

「私に、あの夜の艇長について語れとおっしゃるが、それは一口に云うと、海そのもののような沈着だったと云えましょう。