Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
一週一夜物語
一、大人O'Grie
僕は、「実話」というのが大の嫌いだから、ここには本当のことを書く。
というものの、どうもこれが難題なので、弱る。作らず、嘘でなく、じっさい僕が聴いた他人の告白なんて――よくよく天邪鬼でないかぎり、いえた芸ではないと思う。
とにかく、これはいわゆる実話ではない。あくまで、僕が経験し、じっさいに聴いた話である。
で、冒頭に、僕の経歴の一部を明らかにする。これまで、経歴不明の神秘性がある――とかなんとか云われるのは心外であったが、この機に残らずぶちまけてサバサバとしてしまいたい。
それは、中学を出て一年遊び、翌大正八年五月から十一年二月まで、横浜山下町一五二番地、メーナード・エス・ジェソップ商会というのに勤めていた。この店は、ブロンズ扉や、ボード・ジョインターや特殊錠、欄間調整器などの建築金具を輸入し、輸出のほうは、印度、蘭印方面へ日本雑貨を向けていた。もちろん僕は雑貨掛りのほうであった。
ところが、大正十年十一月九日、年に一度は、顧客廻りに出かけるジェソップ氏の伴をして、はじめて北回帰線を越えカルカッタに上陸した。
印度だ。