Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
そうして、ついに扉が破壊されたのであった。
ところが、閾を跨いだとき、三人は、そのまま心動を停めたような駭きに打たれた。
そこには、昨夜と寸分も違わぬ状態で、成戸が床のうえに長々と横たわっているのだ。流れ出た血が、焔に映じて玉蟲色に輝いている。ああ、そうしてまた、その時も柔皮花の香りが鼻に触れてこない。
「殺人が行われるとき、その現場に限って、柔皮花が香りを失うとはどうしたことだろう」
彼は、その花粉の秘密を知ることが、結局、密室の謎を解く鍵ではないかと考えた。
花粉と密室、詩と機構――。
それが、神ならでは知らぬ久遠の謎のように彼を悩ました。
「女将、すると明日の晩は、僕か君かということになるね。なにも、そんなに顫えることはないだろうよ。七つの海を股にかけたお勢ともあろうものが、この期に及んで、なんという態だ」
その翌夜は、また誰かの血が、キラキラする陽炎のようなものを、立てるであろうと思うと、さすがの左枝でさえも、落着かず自制を失ったように見えた。ところが、夜になると、彼は再びお勢の部屋に現われた。
「むろん、これは確証というわけじゃないがね。しかし今夜は、とくと君に相談があるんだよ。