Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

まず、稲野谷という、仮空の人物を作り上げて、それで、三伝の影を君は覆おうとしたのだ。君は牒し合わせて、まず三伝に、利得金を奪わせておいた。そうしてから、復讐を兼ねて、いずれ追及してくる、一味の者を順ぐりに殺していったのだ。三伝は黒衣で、君は立役者だ。サア、ここで、君に三伝の在所を教えてもらおう。お願いだ、僕は神となるか、それとも、僕という人生を修正するかの境い目にある。お願いだ、三伝は何処にいる。どうして、あの男は死から蘇ったのだ」

左枝は、額に粟粒のような汗を泛べ、その眼は、お勢の唇を凝っと捉えていて動かなかった。この一つが、実に最後の、苦闘の末にようやく恵まれた、機会だ。三伝を射ったのは、船場か、矢伏か。どうか矢伏であってくれ――と、これまで抗争を続け、血みどろに揉み合っていたあの力に、いまは、祈らんばかりに縋りはじめたのであった。が、お勢は冷笑を泛べて云った。

「可哀想にねえ。神様になろうというのも、並大抵のことじゃないねえ。ねえ左枝さん、ほんとうにお気の毒だけど、三伝はとうの昔に死んでいるんだよ。あれを射ったのが、矢伏か船場かっていうことも、もし親戚なら、神様にでも聴いてみてもらおうじゃないか。