Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
三、首が飛んでも動いて見せるわ
見ると、戸板がくるりと返って、そこには、お岩の衣裳を着、咽喉に無残な孔を開いた花桐逢痴が、ぬうと、藻の中から顔を突き出しているのだった。
こうして、観衆の真唯中で、小六殺しの推定犯人逢痴は、無残な死体を曝したのである。
三、首が飛んでも動いて見せるわ
死体には一面に太い襞が盛り上っていて、肋骨が浮き上り、傷は左横から、刃様のもので頸動脈が貫かれていた。
しかし、こうして死に、硬くなって、永久動くことのない身体のいろいろな部分が、法水の眼には、異常な意味を持ってきた。彼は何度となく水中を透し見たり、浮んでいる作り藻を絞ったりしていたが、そうして滴り落ちる蒼黒い水に、明らかな失望の色を泛べるのだった。
彼は、傍らの儀右衛門を振り向いて、
「どうだね友田屋、君は気がつかんかね。こりゃ、とてもひどい出血なんだぜ。ところが、浮いているのは、血漿や脂肪だけで、肝腎要の血が、この水の中にどうしても見出せないのだ。屍体には、これほど明らかな羸痩が現われていて、そのくせ、血がいったいどこへ行ってしまったのだろうか。藍で染めた水の中に、赤いものがあれば黝ずんで見えるのだから、何より色を見れば、一目瞭然じゃないか。