Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

を、さぞ君は、終りまで勤めたいだろうね。よろしい。僕は舞台の上で、君に、犯人の声を聴かせてやることにしよう」

そうして儀右衛門が、いよいよ最後の一頁を飾る、劇的な演技がはじまった。

眼は血走り、息は喘いで、台詞の調子はバラバラであるけれども、今か今かと待つ焦らだたしさは、ひとしお末期の伊右衛門に、悽愴な気魄を添えるのだった。

しかし、その頃奈落の中で、法水は、六人を前に何事かを語っていた。

「あるいは君たちの中で、前の座頭の里虹を、知らない者があるかも知れない。けれども、そのむかし里虹と小六とが、或る事情からルソン島へ行かねばならなかったことがあるのだ。その時、クイロスという生理学者が、二人の嬰児に、血液循環の実験をしたのだ。それは、片側の静脈を切って、そこに塩化鉄を置き、反対側の静脈には、フェロシアン・カリウムを注射するのだ。すると、二十何秒か経って、その血液が一順したとき、塩化鉄が溶けて真青な色に変るのだよ。つまり、あの時の逢痴が、意識朦朧としていたというのも、結局は常用の沃度と、フェロシアン加里を掏り変えて置いたからで、また出血が、行衛知れずになったというのも、藍で染めた水のために色が分らなかったからなのだ。