Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
ラインの河畔ウオルムスの城に、クリームヒルトという、容色絶美の姫君が住んでいた。ブルガンディーの王、グンテルの妹である。また、その下流低地にも、一つの城があって、そこには、ジーグフリードと呼ぶ抜群の勇士がいたのである。
ジーグフリードは、ニーベルンゲン族と闘って巨宝を獲たのであるが、それ以前、一匹の巨竜を殺したため、殺竜騎士の綽名があった。
しかし彼は、そのとき泉にしたたる巨竜の血に浴したので、菩提樹の葉が落ちた肩一ヶ所のほかは、全身剣をはねかえす鋼鉄のような硬さになってしまったのである。
ところが、旅人の口の端を伝わり伝わりして、クリームヒルトの噂が、ジーグフリードの耳に達した。そこでジーグフリードは、ひそかに見ぬ恋に憧れる身となり、はるばるウオルムスの城に赴いたのである。しかし、その門出に、悪しき予占ありといって止められたのであったが、思えばそれは、やがて起る悲劇の兆しだったのであろう。
さてジーグフリードは、ウオルムスの城内のおいていたく歓迎され、ことに武芸を闘わして、クリームヒルトの嘆賞するところとなった。しかし姫は、それから一年もジーグフリードとは遇わず、ただ居室の高窓から微笑を送るのみであった。