Japanische Klassiker mit Furigana
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 潤一郎ラビリンスV――少年の王国 (こぞうのゆめ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.989 Zeichen · 144 Bildschirme
先生は大いにお前に感心して居る。お前にはなか/\大人も及ばないえらい所がある。全級の生徒に自分の云い付けをよく守らせると云う事は、先生でさえ容易に出来ない仕業だのに、お前は其れをちゃんとやって見せて居る。お前に比べると、先生などは却って耻かしい次第だ」
人の好い貝島は、実際腹の底から斯う感じたのであった。自分は二十年も学校の教師を勤めて居ながら、一級の生徒を自由に治めて行くだけの徳望と技倆とに於て、此の幼い一少年に及ばないのである。自分ばかりか、総べての小学校の教員のうちで、よく餓鬼大将の沼倉以上に、生徒を感化し心服させ得る者があるだろうか。われ/\「学校の先生」たちは大きななりをして居ながら、沼倉の事を考えると忸怩たらざるを得ないではないか。われ/\の生徒に対する威信と慈愛とが、沼倉に及ばない所以のものは、つまりわれ/\が子供のような無邪気な心になれないからなのだ。全く子供と同化して一緒になって遊んでやろうと云う誠意がないからなのだ。だからわれ/\は、今後大いに沼倉を学ばなければならない。生徒から「恐い先生」として畏敬されるよりも、「面白いお友達」