Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みおつくし

澪標・落日の光景

外村 繁

Lesen Sie 澪標・落日の光景 (みおつくし) von 外村 繁 (とのむらしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.889 Zeichen · 268 Bildschirme

Aozora Bunko

法要には江州から僧が招かれ、母は水を得た魚のようであった、という。

この頃、素子は横になると、首が痛み、長くは寝ていられない。夜もよく眠られないらしく、朝、私が目を覚ますと、風呂敷で遮光した電灯の下で、素子は新聞を読んでいたりする。

「どうしたんだろうね」

「放射線で、首の神経が痛められたのですって。でも、先生に言っても、あまり相手にされないの」

「そうか。すると、あまり心配しなくてもよいらしいね」

「昨日なんか、もっと左の手を動かさないと、『先になって、困ることになりますよ』って、叱られちゃった」

私は急に、少くとも目前が明るくなったように思う。思わず顔に喜色が浮かぶ。が、素子はまるで触れてはならないものに、触れようとするかのように、奇妙な表情を作って言う。

「だって、私にも、先があるのか知ら」

「どうやら、あるらしいじゃないか。先になって困るといけないから、これからは、上衣を着る時のお手伝いは、御免蒙ることにしようぜ」

そんなある日、名古屋の兄から来信があり、母が兄の家の廊下で転び、左の腕を骨折したので、近くの病院に入院させた、という。私は唖然として、直ぐには言葉にならない。