Japanische Klassiker mit Furigana
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
Lesen Sie 澪標・落日の光景 (みおつくし) von 外村 繁 (とのむらしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.889 Zeichen · 268 Bildschirme
しかしそれは虚空に笛の音を聞いているような、遥かに遠い感情のようにも思われる。そうしてそんな感情が何に起因しているのか、もとより私は知る由もない。
いつともなく、たつもすっかりおとなしくなった。たつはよく働いたが、その立居は見違えるばかりに女らしくなった。何がたつをこんなに変えたか、私は不思議でならない。また、人人もいうように、たつはめっきり美しくもなった。
「来やはった時は、雀の巣みたい髪してやはったが」
するとたつの髪は稚児髷ではなかったか。確かに、あの時、前屈みになっていたたつの頭は稚児髷であった。しかし最早、羞恥の感情を伴わないで、たつのそんな姿を回想することはできない。私は片手を額にかざし、たつをからかう。
「たつ、たつ、九居瀬が見えるわ」
「もうほれだけは、言わんといておくれやす」
たつは赤く顔を染めた。
「たつ、またこそぼり合いしようか」
私がそう言えば、たつは何と答えるか。私は少なからず興味を覚える。しかしたつのふくらかな姿態を見ていると、私はどうしてもそれを口にすることができなかった。
その頃から、私はテニスに熱中するようになる。学校のコートは六年生が殆ど独占する形になっている。