Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やけどしたかみさま

火傷した神様

田中 貢太郎

Lesen Sie 火傷した神様 (やけどしたかみさま) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.456 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

と云って、二人で火を踏み消そうとしたが、火は消えないでみるみる傍の枯草に燃え移り、それから立木に燃え移った。旅人はますますあわてて、木の枝を折って来て叩き消そうとしたが、火はますます燃えひろがるばかりで、手のつけようがなかった。

「こりゃ、いかん、村の者に見つかったら、たいへんだ」

「そうだ、たいへんだ、逃げよう」

二人はしかたなしに逃げて往った。その時来宮様に使われている雉がいた。雉は森へ火の移ったのを見ると、これも旅人以上に驚いて、御殿の前へ往ってはらはらしていたが、神様のことも心配なので、華表の処まで来たところで、来宮様は暢気そうに華表の下で鼾をかいて眠っていた。雉はまあなんという暢気な神様だろうと呆れたが、ぐずぐずしていられないので、

「たいへんです、たいへんです、神様、火事です、たいへんです」

と云って狂気のようになって叫んだが、来宮様はいっこうに起きない。火はもう傍へ来て、今にも華表に燃え移りそうになって来た。雉は気が気ではない。

「たいへんです、たいへんです、起きてください、起きてください、神様、火事です、火が燃えつきます、神様」

雉の声がやっと通じたのか、来宮様はううと云うような唸声を出した。