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Japanische Klassiker mit Furigana

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とうみょうのまき

灯明之巻

泉 鏡花

Lesen Sie 灯明之巻 (とうみょうのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.444 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

白い桔梗と、水紅色の常夏、と思ったのが、その二色の、花の鉄線かずらを刺繍した、銀座むきの至極当世な持もので、花はきりりとしているが、葉も蔓も弱々しく、中のものも角ばらず、なよなよと、木魚の下すべりに、優しい女の、帯の端を引伏せられたように見えるのであった。

はじめ小県が、ここの崖を、墓地へ下りる以前に、寺の庫裡を覗いた時、人気も、火の気もない、炉の傍に一段高く破れ落ちた壁の穴の前に、この帯らしいものを見つけて、うつくしい女の、その腰は、袖は、あらわな白い肩は、壁外に逆になって、蜘蛛の巣がらみに、蒼白くくくられてでもいそうに思った。

瞬間の幻視である。手提はすぐ分った。が、この荒寺、思いのほか、陰寂な無人の僻地で――頼もう――を我が耳で聞返したほどであったから。……

私の隣の松さんは、熊野へ参ると、髪結うて、

熊野の道で日が暮れて、

あと見りゃ怖しい、先見りゃこわい。

先の河原で宿取ろか、跡の河原で宿取ろか。

さきの河原で宿取って、鯰が出て、押えて、

手で取りゃ可愛いし、足で取りゃ可愛いし、

杓子ですくうて、線香で担って、燈心で括って、

仏様のうしろで、一切食や、うまし、二切食や、うまし……