Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はいいろのきおく

灰色の記憶

久坂 葉子

Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme

Aozora Bunko

一階の廊下を素知らぬ顔をしてゆっくり歩いた。運動場へ出た。彼が球を高く高く放り上げる姿をみた。ポケットの中へ手を突込んで鉛筆と紙切れをしっかり掴んだ。

その事件は、幸い誰にも発見されずに済んだ。私は、眠る時、枕カバーの中に、紙切れと鉛筆とを入れてやすみ、朝になるとランドセルの片隅にそれをしまい込んだ。

時々学校で彼に遇い、その度に私はふっとうつむいてしまった。しかし、その感情は長く続かなかった。私達が、螢の光を唄って彼等が卒業してしまい、彼の姿をみつけることが出来なくなると、もう、あの紙片は屑箱の中へほうりこまれ、鉛筆は、使いはたしたか、失ったかしてしまった。すでに私の心の中に彼は住んではおらなかった。

割合によい成績で進級し最上級生になった私は、初めて一しょの級になった首席を通している女の子に好意を持ちはじめた。帰る方向が一しょなので自然親しく口をきくようになり私は彼女の云うことすることを尊敬した。そして彼女と机を並べて勉強するようになった。彼女に近よろうと思うばかりに、よく学んだ。宿題や下しらべもやって来た。だいたい彼女は何でもよく出来たが、特別にずばぬけてよいものを持っては居なかった。