Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
売れたら、一度に返す。(彼の言い方には妙に圧力がある。タンギイは、それに押されて、しぶしぶしながら、ポケットの財布から金を出して、ゴーガンに渡す。……ゴーガンは別に礼も言わず、それをポケットにほうり込んで、出て行きかける。他の四人は入口の所で待っている)
ヴィン ……(絵の凝視から不意に醒めて、あわててゴーガンの前に廻って)ま、待ってくれ。僕の言っているのはね、いや、いや、この絵はそうかも知れない、メチャメチャかも知れない。トーンがないのは、君の言う通りかも知れない。そのことじゃないんだ。僕の言いたいのは、それじゃないんだよ。わかってくれ、ゴーガン。君は僕の先輩だ。すぐれた画家だ。頼りにしている僕は。ね、わかってくれ、僕が実在だと言うのは、この、つまり、タンギイならタンギイの、こう描いてある着物の下にだな――いや、僕でも良い。この、この着物の下に――(と、せき込んで言っている内に気がいらって、いきなりナッパ服を脱いでしまう。下には襟なしのシャツだけ)こうして、身体がチャンと在る。こ、これが人間だ。ヴィンセント・ヴァン・ゴッホだ。これが実在なんだ。(ズボンまでぬいでしまう。