Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
どうか一つ――兄を説きつけることの出来るのは、あなただけなんです。兄はあなたを怖れています。いや怖れていると言うわけではないんですが、つまり尊敬しているのです。一番頼りにしているのです。あなたのおっしゃることなら、何でも兄は聞きます。忠告してほしいんです。お願いですから――このままで行けば兄の頭はどうにかなってしまいます。兄は病人なんです。どうか、ゴーガンさん、あなたの力で――
ゴー フフ。(笑うが、顔は笑わない)私は看護婦じゃないよ、テオドールさん。……(所内を見わたして、ロートレック、ベルナール、ベルト・モリソウ、タンギイなどを目に入れるが、別に目礼もしないで、売台の所のおかみを見て、初めて微笑)やあ今日は、クサンチッペ。
おかみ いらっしゃいまし、ゴーガン先生。(このおかみはゴーガンを見ると妙に機嫌が良い)
ロート そうら、お前の色男が来たぞ! 見ろ、トタンにニヤニヤしやがって。
ゴー どうしたね、伯爵?
おかみ いやだと言うのに、どうしても飲めとおっしゃるんですよ、このブランディ。
ゴー そうかね。(と瓶を取って)のどがかわいた。……(一息に全部をラッパ飲みに飲みほして平然としてカラの瓶をおかみに返す。