Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むだい(いち)

無題(一)

宮本 百合子

Lesen Sie 無題(一) (むだい(いち)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 20.502 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

と云いました。詩人はだまって立ち上りました。二つの影は森の中に消えました。その夜のゆめもまどらかでした。けれども女は一度寝てから又起き上って長く長くのばした髪を指さきでいじりながらこんなことを云って又ねました。

女「いくらローズが何と云ってもだめだ。私は彼の美くしい若い詩人を愛しているんだもの。どんな事があってもだめだ、私はほんとうに」

翌日もその翌日も又その次の日も自分が前からのぞんでいたような美くしい日の暮し方をしました。一日に三つも四つも詩をうたいました。そのうちのどれもみな今までにないような美くしいのばかりでした。そこで二月くらしました。毎日、いろいろなめずらしい美くしい所許り見て、今日で二月になると云う日の夕今日も二人は森の中に居ました。夕日は美うあたりにかがやいて居た時でした。白い衣にマッカのルビーのブローチをして、水色のバンドをしめた女は若い詩人の頬に頬をよせて小さいふるえた声でささやくように云いました。

女「美くしい私の心の人、貴方は□□と云う事を知っておいで」年若い人の頬にはほんのりと血がさしていつもより一しお美くしい声で云いました。