Japanische Klassiker mit Furigana
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むだい(いち)
無題(一)
宮本 百合子
Lesen Sie 無題(一) (むだい(いち)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 20.502 Zeichen · 41 Bildschirme
母はもうゆるいナイトコートを着て房々した毛もとかれて居ます。詩人はおとなしくたち上って紙をかさねてその上にインクスタンドを置いて、
詩「お母さん、どうもおまち遠さま。我まま云ってすみませんでした」
美くしい詩を作る人は親にもやさしゅうございました。
母「いいえようござんすとも。立派な物さえ出来るなら私なんかいつまでおきていても」
かるく答えて先に立ちました。若い子の夢は円でした。朝まで白いベッドの中で、頬を赤くして唇をかるく開いたままで、朝起た時はもう日がスッかり出て居ました。隣のローズは薄色の着物を着てまどのそばに出て黄金色の大きな波うった毛を梳いて居ました。詩人は白いブカブカの寝着をきたまんまトントンと母の居間の戸をたたきました。母はうれしそうに笑みながら椅子から身を起して、云いました。
「お早う、よくねられましたか、着物をきかえて御飯をたべたら、ローズの所へ行って行らっしゃい。朝早く来て、よんでましたよ」
詩「そう、お母さま、どの着物着たらいいでしょう。私の体は少しは育ったでしょう。御飯はここでたべましょう」
母「着物、そうネ、それじゃア、今出しましょう、顔を洗ってネ」