Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むだい(いち)

無題(一)

宮本 百合子

Lesen Sie 無題(一) (むだい(いち)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 20.502 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

人々はそのめずらしい旅の様子に驚かされその美くしくてやさしい歌言葉に驚かされました。本の評判は見る見るあがって日々の新聞にはいろいろの人がいろいろな目をもって評して居ました。けれどもどれ一つとしてそのものを悪く云ったものは一つもありませんでした。その筆の達者な美くしい詩を書く人はどんな世なれた人かと思ってその住居を訪ねた人は母にたすけられて出て来た美くしい女の様な目の大きな少年がその作者ときいて驚はますます深められました。世間の人々は美くしい人をなお美くしく云いひろげて世の中からは詩の神様が人の世に姿をあらわしたかの様に尊びました。家の中、村の中はこの一人の少年のために嬉しさがみちみちてあの様な立派な詩人をもって居る村、あの様なえらい人を産んだお母さんと云いそやされました。ローズは自分よりもよろこんで朝夕人の噂にはほほ笑んで居ました。三日たち四日たち十日位は夢の様に立ちました。十日立っての日ローズの部屋を訪れた詩人のかおは今までになく青ざめて目はうるんで何とも云わない内にローズの胸にすがって大きい目から涙を流して居ます。ローズは何でも動きやすい若い詩人の心をよく知って居ました。