Japanische Klassiker mit Furigana
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えんとつとやなぎ
煙突と柳
小川 未明
Lesen Sie 煙突と柳 (えんとつとやなぎ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.104 Zeichen · 7 Bildschirme
「お日さま、どうか私のいうことをお聞きください。私は、この寒さで、根が凍って枯れそうになっています。そのうえ、私は、もう年をとっていて元気がありません。私のわずかばかり残っている枝は、毎夜の霜に傷められて、こんなに力がなくなっています。それだから私は、お日さまにお願いするのではありません……。
私は、ここに立って、もう長い間、いろいろこの世の中の有り様というものを見つくしてしまったような気がします。もう枯れてしまっても、惜しい命とは思いません。それですから私自身のためにお願いするのではありません。
お日さまが、毎日、西の空へ沈みなさる時分から、一日も欠かしたことなく、私の下に立って夕刊を売る子供を、お日さまはごらんになったことはありませんか。
まだ、やっと十か、十一になったばかりであります。ひどい雨の降らないかぎりは、風の吹く晩にも、私の下に立って鈴を鳴らして夕刊を売っています。その子の手は、家にいる病身な母親を助けて働くので、私の枝が霜に痛んでいるよりも、もっと風と霜とに傷んでいます。寒い、寒い日には、はれあがった手の甲から血がにじんでいます。