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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

につままれたような顔の与助は、その侍と、二階のほうを見較べるようにして、

「親分! これはいったいどうしたというんで。」

「何がどうしたというんだ。客人をお連れした。もとおいらがお世話になったお侍様だ。御挨拶をしねえか。」

与助は眼をまんまるにして、

「冗談じゃありませんぜ、親分。これと同じお侍さんが、女を連れて二階の、『梅』にいらっしゃるんで。」

「げっ! なに? それではあの、もう一人の弥四郎頭巾が!」

と、佐吉は思わず、背後の大次郎を振り返りながら、与助へ、

「ひょんな侍が女を連れて泊り込んだと、さっきお前が言ったのはその客か?」

与助はまだ呆気にとられて、大次郎を凝視めて、頷くだけだ。

佐吉は先に立って上りながら、

「大次さん、来てるらしいぜ。」

「そうらしいな。斬るかな。まず、千浪どのに怪我のないように。」

この、親友の妻と知りながら、千浪に対する恋心を制し切れない佐吉は、つと、暗い顔になりながらも、

「そうだ。その千浪様とやらに、お怪我があっちゃあならねえ。だが、出羽はこれを幸い、首にしてえものだな。」

「言うまでもない。それは拙者が引き受けるから、お主は千浪を頼む。