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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

と呑気に笑って、大勢の男衆や与助に送られて文珠屋を立ち出るところだ。これは、後から来た親分の同伴と、すっかり思い込んでいるので、与助などは、背後からぺこぺこお辞儀をしながら、

「そうですか、うまく親分が押さえつけてくれましたか。あっしはね、急に思いついて、向うの部屋から鏡を使ってあいつの眼を眩ましてやりましたので、へへへへへへ。」

「いや、大手柄、大手柄。あれが味方にとって大助りであったぞ。さらばじゃ。」

大勢に送られて、出羽守は、ぶらりと、文珠屋を出て行った。

「馬鹿野郎、そいつを押さえろ、逃がすなっ!」

文珠屋佐吉は上り框に立って、大声にどなったが、その時はもう、出羽守の姿は向うの町角に消えていた。

伴大次郎も出羽守のほうを諦めて、千浪を看病に下りて来ていた。

断愛恋

千浪はすぐに息を吹き返したが、気がつきそうだと見ると、伴大次郎はその文珠屋の奥座敷をそっと出て、縁の物蔭へ佐吉を呼び出し、

「拙者は、あの千浪に顔を見せたくないのだ。拙者のために、また千浪のために――おれはもう、千浪の前に現われないほうがいいのだ。で、これからあの討ち洩らした出羽を狙って、拙者はもう一度江戸の町をうろつくつもりだ。