Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme
四足を斬った刀は、滅法切れると言うことじゃぞ、ははははは。」
「じゃが、旦那、殿さま、お猿さまは、この猿の湯の守り神で、あれは、お猿の湯へ人間が入れて貰っておるというくらい――ああ、こりゃ、とんだ崇りがなければよいが。」
おろおろと立ち騒ぐ男衆へ、出羽守は、一喝をぶつけて、
「猿を斬ったがなんで悪い! さほどに思うなら、手厚く葬ってやれ。」
どさりと、猿の屍骸を下男の顔へ投げつけておいて、出羽守は、家臣らの集まっている階段の根本へ。
じろりと川島のようすを見ると、一眼ですべてを知ったらしい。
そのまま、無言で梯子段を上って行くのだ。中之郷と山路が、すぐそれに続く。とっつきから弓削父娘の部屋で。
出羽守、がらり障子を引き開けながら、
「おやじ、くどいようじゃが、また、娘を貰いに来た。」
弥四郎頭巾の中からきらり、つめたい眼がきらめく。
同時に、からだ一つ崩さずに、いま猿の血をなめたばかりの腰間の利剣が、音もなく、白く伸びて――法外先生は、たちまち肩口を押さえて、堂っ! とそこに倒れていた。
女髪兼安が手にないために、法外、急に腕が鈍ったのか、それとも、猿を斬った出羽守の刀が、人間業以上の働きをしたのか。