Japanische Klassiker mit Furigana
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もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme
それから二三日が過ぎた。或る日のこと、海岸で、私たちは寝そべりながら、順番に、お互を砂の中に埋めっこしていた。私の番だった。私は全身を生埋めにされて、やっと、私の顔だけを、砂の中から出していた。お前がその細部を仕上げていた。私はお前のするがままになりながら、さっきから、向うの大きな松の木の下に、私たちの方を見ては、笑いながら話し合っている二人の婦人のいるのを、ぼんやり認めていた。そのうちの海水帽をかぶった方は、お前の母らしかった。もう一人の方は、この村では、つい見かけたことのない婦人に見えた。黒いパラソルをさしていた。
「あら、たっちゃんのお母様だわ」お前は、海水着の砂を払いながら、起き上った。
「ふん……」私は気のなさそうな返事をした。そうして皆が起き上ったのに、私一人だけ、いつまでも砂の中に埋まっていた。私は心臓をどきどきさせていた。私の隠し立てが、今にもばれそうなので。そうしてそれが、砂の中から浮んでいる私の顔を、とても変梃にさせていそうだった。私はいっそのこと、そんな顔も砂の中に埋めてしまいたかった! 何故なら、私は田舎から、私の母へ宛てて、わざと悲しそうな手紙ばかり送っていた。