Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

私は前へとび出していくと、受付の巡査に代って『よろしい、ここへおいてゆけ』といったのです。そしてすしをもちこんだ当人の住所姓名をたずねると、トラ十の従弟で、この先のこれこれの工場に働いている者ですといって、すらすらと答えたんです。そこで私は、すしをうけとって『よろしい』というと、その男は帰っていきました」

「なるほど」

検事はうなずいた。

「さあ、そこですしの始末ですが、これには困りました。なにしろ、トラ十はここにはいないのですからねえ。もったいないが、われわれが代りに食べるというわけにもいかない。すしは、机の上においたなりになっていました。がそのうちに、思いがけない事件がもちあがったのです」

「ほう、猫の一件だな」

「そうなんです。私たちが、うっかりしている間に、警察署の小使が飼っている玉ちゃんという猫が、昨今腹が減っていると見え、いつの間にか机の上のすしを見つけ、紙包の横を食い破ると、中のすしを盗んで食っているのです。『ああ猫がすしを食べている!』と、誰かがいったときには、もう二つ三つは、玉ちゃんの腹の中に入っていたのでしょうが、皆がさわぎだして、玉ちゃんのところへ飛んでいったのですが、そのときどうしたわけか、猫は逃げもせず、そこにうずくまっているのです。