Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちのそうしき
父の葬式
葛西 善蔵
Lesen Sie 父の葬式 (ちちのそうしき) von 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.864 Zeichen · 12 Bildschirme
第一公式なんかの滑稽はかまわないとしても、金の方でボロが出やしないかとビクビクだったが、それもどうやら間に合ったんだし、大事な人たちは来てくれたし、まあけっこうな方でしょう」会計や事務いっさいを任されてきた弟の窶れた顔にも、初めて安心の色が浮んだ。
「戒名は何とか言ったな?……白雲院道屋外空居士か……なるほどね、やっぱしおやじらしい戒名をつけてくれたね」
「そうですね。それにいかに商売でも、ああだしぬけに持ちこまれたんでは、坊さんも戒名には困ったでしょうよ。それでこういった漠然としたところをつけてくれたんじゃないでしょうか」
「いやどうしてなかなか、よくおやじの面目をつかんでるよ。外空居士もう今ごろはどの辺まで往ってるか……」
いつまでも尽きないおやじの話で、私たちは遅くまで酒を飲んだ。明日はこの村の登記所へ私たちはちょっとした用事があった。私たちの村はもう一つ先きの駅なのだが、父が村にわずかばかし遺して行ってくれた畑などの名義の書き替えは、やはりここの登記所ですませねばならなかった。それだけが今度の残務だった。
「登記所の方がすんだら、明日はどうしましょうか」