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Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

人がいなきゃいいんだが、皆が見ているだろう。骨をじゃなく、おれをさ。肉親をうしなって悲しみにあふれている人間として、このおれを眺めている。その視線の中で飯を食うのは、具合が悪いもんだよ。と言って、腹が減れば、食べないわけには行かないし――」

「なるほどね」

その困惑は私にも判るような気がした。

「悲しい顔をしなくちゃいけないだろうからね」

「その代り、逆用も出来るんだ」

彼は言った。

「それから汽車に乗った。汽車は、満員というほど混んでいなかったが、席は空いていなかった。遺骨を持っている関係で、先を争って乗れなかったからだ」

栄介はひどく疲れていた。昨夜もよく眠らず、営庭に立ち通しだったので、疲れるのも当然だ。彼は通路に立ったまま、遺骨を網棚に乗せようかとも考えた。しかしそれは出来なかった。しばらく収まっていた怒りが、またじりじりと胸に燃え上って来た。

「おれを立たせて置くつもりか。このおれを!」

そう思いながら、彼は坐っている旅客の一人一人を、順々に顔を確めて行った。十分ほど経った。ついにたまりかねたように、一人の学生が立ち上って、席をゆずって呉れた。

「その汽車は、長距離列車なんだ。