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Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

主人は頭を角刈りにした痩せた男で、あまり表情を動かさない。あとで城介に聞くと、葬儀屋というのは喜怒哀楽を顔に出してはいけない、無表情で事を運べと、かねて注意されているという。主人のむっつりした態度は、その職業的習練が日常にまで移行したもののようである。栄介は金を借りに、両三度行ったことがある。

なにしろ幸太郎からの学資の額がすくなかったのだ。田舎の高等学校並みにしか送って来ないので、とても足りない。アルバイトもやったが、それでも不足すると、葬儀屋にたよる他はなかった。

主人は栄介の希望する額を聞くと、若い美しい女房に金を持って来させ、黙って彼に手渡した。

日々困っているから、その金がどうしても戻せない。やがて彼は葬儀屋へ行きづらくなった。

「兄貴。少しずつでも返して、また借りに来ればいいじゃないか」

時々城介は彼に言った。

「おやじが来客に、これはよく働くが、兄の方はだらしないと話しているのを聞くと、おれはちょっとつらいんだ」

栄介だってつらかった。卒業してから返すなどと、当てもないようなことを言える義理ではなかった。その中に城介が出征してしまったから、その借金は返さずじまいになった。