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Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

「その女の子、城介君に似てたかね?」

「いや。赤いセーターを着ていたことは覚えているが、顔は忘れた」

栄介は答えた。

「相手が人妻だとは言ってたが、葬儀屋の内儀とは知らなかった。あんたの説明で、今判ったんだよ。自分のことは自分で決着をつけるからって、相手の名は教えて呉れなかった」

「葬儀屋? 彼は葬儀屋に勤めてたんですかい?」

栄介はうなずいた。

「へえ。わたしゃ彼が小さな会社にでも勤めていたのかと思っていた」

「その地図と名前を書いた時、城介はもうパビナールを使用――」

「多分そうだと思うな」

加納は道具をしまいながら答えた。

「アドレナリンとかエフェドリンなんか、あまり効かないんですよ。症状をやわらげる程度で、時間が経たなきゃ発作はおさまらない。しかしパビアトを打つと、とたんに苦痛がぴたりととまるんだね。自分らは衛生下士官だから、薬品の管理を委されている。パビアトの数量など、ごまかそうと思えばごまかせるんだ」

「あれは気持のいいものかね」

「いや。わたしも衛生兵時分に、一CCの半量を冗談半分に打ったことがあるが、冷汗が出て、はげしい吐気がしてね、えらく気分が悪かった。