Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

給水専用車や、ドラム罐を積んだトラックで補給するが、数が少くて廻り切れない。城介らはある時、雪を解かして水にして、飯盒で飯をたいたことがある。飯が出来上って、城介はあっと驚いた。

「何だ。こりゃまるで粟飯じゃねえか」

雪は天界の黄塵を含んで、地上に落ち、それが飯を黄色に染めてしまうのである。

地隙というものがある。地球を人体にたとえるなら、そのひびかアカギレみたいなものと思えばいい。それが行軍路の随所にあった。小さなのは塹壕程度のものから、大きいのは幅数百メートル、深さも百メートルぐらいのもあって、両岸は切り削ったような崖や急斜面になっている。

「アメリカにグランド・キャニオンと言うのがあるね。行って見たことはないけれど、あれに似ているんじゃないかと思うね」

加納は言った。

「その急斜をジグザグに降りる。たいてい谷底には水っ気があって、凍っている。それを解かして煮沸して飲んだりして、また崖をよじ登る。すべり落ちる奴もいるしさ」

仁木軍曹がすべり落ちて、背骨や足を折って、やがて死んだ。仁木というのは、初年兵教育の時、城介をひどくいじめた男である。野戦病院に運ばれ、偶然城介の担当になった。