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Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

「ここはどこだ?」

多磨墓地の門の前に車が停った時、幸太郎はいぶかしげに窓外を眺めながら言った。栄介は扉をあけて答えた。

「多磨霊園ですよ」

「多磨霊園? では墓地じゃないか」

幸太郎はぐいと上半身をうしろにねじ向けた。不安そうに動いていた眼が、急に定まって、きらりと光った。

「誰がこんなところに案内せよと言った?」

「言ったじゃないか。伯父さん」

栄介はうんざりしたように答えた。

「お墓参りをしたいって、この間――」

「お墓って、誰のお墓のことを言っているんじゃ、お前は?」

「もちろんうちのお墓だよ。お父さんや城介やなんかの」

「なに? 福の墓がここにあるのか?」

幸太郎は意外そうに甲高い声で反問した。

「わしは福たちの墓に詣りたいとは言わなかったぞ」

「じゃ誰のお墓に行きたいんですか?」

「大正天皇陛下のおん墓だ。わしははっきりそう言った筈だ」

その表情に嘘はなかった。つまり栄介は何かかん違いをしていたのである。栄介は扉をあけ放ったまま、むっとしたように腕組みをして、背を座席にもたせかけた。

「ではうちの墓には詣らないというんですね」

「それとこれとは問題が違う」

幸太郎はいらだって、前部座席の肩をたたいた。