Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

いろんなものがあって、しかも安くて――」

栄介は身じろぎをした。その背中の動かし方を、私は注意深く見ていた。

「でも、おれは城介をすっぽかす気はなかったんだぜ。彼の奉公先があんなところだろう。定期的な休暇はないんだ。手すきになると、ふらふらとおれんとこに遊びに来る。連絡がないから、こっちも待ってやしない。あいつがおれをだらしないというのは、別の理由からなんだ」

「うん。それは知っているよ。日記で読んだ」

栄介はいやな顔をした。私は城介の日記を預かっている。昭和十一、二年の頃のだ。布張りの小型なやつで、時にはペンで時には鉛筆で書いてある。その時私は城介に聞いた。

「何故僕に預けるんだね?」

「どうも女中が盗み読みしている気配があってね、これにゃ主人の悪口なども書いてあるんですよ。へんな告げ口されたら困る」

「栄介に預けたら?」

「栄介は今留守だった。映画を見に行ったらしい」

城介はあいまいな笑い方をした。

「それに兄貴の悪口も書いてあるんでね。ちょっと具合が悪いんだよ」

城介は私に対して、友人のような口をきいたり、時に年長者扱いをしたりした。どんな扱いをしていいのか、彼自身にもよく判らなかったのだろう。