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Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

救急車の男がするどい声で、運転手に救急指定病院の名を告げる。救急車はUターンして、速力を上げて走り去った。あとには弥次馬たちと、兇器(?)の標識柱だけが残った。

女はショックで失神しただけで、病院に着くとすぐ意識を取り戻した。頭には傷はなく、肩と手に打撲傷、胸椎の一箇所に圧迫骨折があった。しかし十五日足らずで、彼女は退院した。

矢木栄介が階段から落ちて怪我をしたという噂を聞いて、私は見舞いに出かけた。彼は自宅の八畳間のベッドの上に、ふんぞり返って寝ていた。枕もとにはベッドテーブルがあり、傍に来客用の椅子が置いてある。矢木は私の顔を見ると、まぶしそうなまた忌々しそうな表情をつくった。

「腰を痛めたんだってね。災難なことだ」

私は椅子に腰をおろしながら言った。

「バーの階段から落ちたんだって?」

「バー? バーじゃなく、バスだよ」

矢木は顔をしかめた。

「バーだなんて、人聞きが悪い。誰がそんなことを言ったんだね。学校あたりに聞えると、具合が良くないじゃないか」

矢木は私といっしょに学校を卒業して、今はある大学の講師を勤めている。講師だから収入は少いが、夫人が美容院を経営しているので、生活には困っていない。