Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme
その若者たちも、折角遊園地にやって来たのに、何も面白いことがなくて、気分的にやり切れなくなったのであろう。
「殴ってやろうか」
城介は私に言った。冗談だと初め私は受取った。冗談めかしたような口調だったからだ。
「なぜ殴るんだね?」
「女をいじめてるからですよ」
城介は答えた。
「あ。あんなにゆすぶると、おっこちるかも知れない」
私たちは吊橋から谷に降りる中腹の、ベンチに腰をかけて、莨をふかしていた。そこは女たちを斜め上に見上げる位置になる。橋が揺れるので、女たちのスカートが動いて、白い下着や足が見えるのだ。私の眼を愉しませるために、女たちは立ちすくんで騒いでいるように見えたくらいだ。だから私はその時城介の気持をはかりかねた。
「大丈夫だ。切れやしないよ」
吊橋は鉄線で編み、その上に板を敷いてあるので、たとえ手を離してもおっこちる心配はない。女たちもそれを知っているのだろう。悲鳴がむしろ嬌声に聞えるのは、そのせいでもあった。
「甘えて騒いでるだけだよ。僕たちとは関係ない」
「関係ありますよ」
今度は押し殺したような声で、城介は言った。
「あいつら、さっきおれたちと売店の前ですれ違った時、ふんと言った調子で、唾を地面にはきやがった」