Japanische Klassiker mit Furigana
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme
でもおれたちは出かけた。禁止されているからこそ、出入りしたくなるんだ。つまりおれたちは子供じゃないと、人に思われたいし、自分でも信じたかったんだろう。おい。またブランデーを注いで呉れ」
「僕にもそんなことがあった」
れいの場所からブランデーを取り出し、彼に注いでやり、私はついでに私のグラスにも充たした。
「袂のある着物をつくって呉れと、おふくろにせがんで、得意になって着て歩いた。すると近所の人が、狼が衣を着ているようだと、批評しやがった。それで当分着るのをやめたよ」
「当り屋という屋号の店だ。学校の近くにあった。うまい店でね」
栄介はブランデーを口の中でころがしながら、何かしばらく考えていた。
「関東ではうどんは馬子の食うものだと思っているが、あれはうどんの食い方を知らない。東京のはうどんの煮〆めだ。あちらのは、当時は手打ちで、薄味で、薬味には細い香ばしいネギが、大丼に出してあった。たしかあのネギの名を、ヒトモジと言ったかな」
その当り屋には、店番の婆さんがいた。当時のことで、婆さんと言っても、五十をすこし出たくらいだったか、七十前後だったか、もう彼には覚えがない。