Japanische Klassiker mit Furigana
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme
「自分の葬式を出させようという魂胆かも知れない」
城介は突然大きな声で笑い出した。
「その時は半額ぐらいでサービスしなくちゃいけないな」
笑いを収めて、城介は言った。
「兄貴。心配しなくてもいいよ」
「何を?」
「葬儀屋のことさ。おれ、葬儀屋って、どんな手順でやるか知らないが、とにかく力仕事じゃないだろう。その点で、おれは気に入ってるんだ」
「そりゃそうだが――」
と言いかけて、栄介は口をつぐんだ。二人の間で葬儀屋の話が出たのは、これが始めてである。あの複雑な思いが栄介の胸をよぎった。
「さあ。そろそろ出るか」
栄介の気持を察したように、城介が言った。
「食逃げするわけにも行かないと」
「おれが払うよ」
「今のは冗談だよ」
城介は財布を引っぱり出した。
「餞別もらったから、たっぷりある」
勘定を済ませて、二人は外に出た。いきなり明るいところに出たので、眼がちかちかして、地面が揺れているような気がした。栄介は初めて酔いというものを意識した。
東京行きの切符と入場券を買い、プラットホームに出た。プラットホームの彼方は一面の麦畑で、麦穂が黄色く熟れている。子供たちがそこらで草笛を吹きながら遊んでいる。