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Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

それから営門を出て、とつとつと駅の方に歩く。

「何て愚劣なことだろう」

「何てバカなことだろう」

自分の不機嫌をなだめるように、ぶつぶつ呟きながら彼は歩いた。名古屋に一泊して、明朝故郷に戻る予定だったが、もう泊る気はしない。

「すぐ汽車で帰ろう」

駅の食堂で食事を注文して、彼はそう思い定めた。遺骨は肩から外し、卓上に安置してある。つまり彼と向い合ったような恰好になっている。城介の骨がそこに入っているという実感はまだなかった。彼は下関の赤提燈の店での城介の言葉を思い出した。

「お前は自分で決着をつけると言ったが、とうとう出来なかったじゃないか」

彼は心の中で城介の骨に話しかけた。

「人間は生れてしまえば、いろんなものにからんだり、からまれたりして、一代では決着出来なくなるものだ。次第に引きつがれたり、あいまいに消失したり――」

食事が来た。遺骨と向い合って、彼だけが食べた。何だか落着かない気がした。

「遺骨というのは、妙なものでね」

栄介は両手を頭のうしろに廻し、私に言った。

「あれは肩から吊し、手で捧げ持ってこそ、恰好がつくもんでね。食事する時などは、処置に困る。