Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうかしあかちょこべえ

狂歌師赤猪口兵衛

夢野 久作

Lesen Sie 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.418 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

平生から粗末な物ばかりを喰べる習慣で、割当てようのない奢った副食物は故意と子供にも遣らずに非人の私に下さる。家内中の口を奢らせぬようにする……と言うのが前の御寮さんの心掛けで、さすが大家の御寮さんは違うたもの……これならば蔵元屋の身代は万劫末代、大磐石と中心から感心しておりました」

「いかにもいかにも。尤も千万……」

「ところが又その前の御寮さんが今のお熊さんを難産したアトの長患で死にまして、今度の後妻……お艶さんと申します……相生町の芸妓上りで……それになりますと女中衆の素振りまでが、見る間にガラリと違うて来ましたなあ。私どもが参りましても、飯炊どもが何もない何もないと言うて寄付けません。ホオラこれを遣ろうなどと言うて仕舞桶の汚れ水を引っ冠せたりする事も御座います。そこで後から掃溜を覗いてみますと、玉子焼や重ね蒲鉾の喰い残しのような立派なものが山を築くほど棄てて御座います。そんなにして棄てる位なら、塵埃箱へ入ずに取って置いてくれたなら……と思います位で……それであの蔵元屋の身代がどうなって行きよるか、おわかりなりまっしょう。町人の身代と言うものは脆いもので、聊かでも奢ったなら一たまりも御座いませんもので……ヘエ……」