Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.453 Zeichen · 101 Bildschirme
では又。あしたあたりお手紙が来るかしら。
十一月四日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
十一月四日 ひどい南風。第十八信。
その後盲腸の工合はいかがでしょう。夜眠れないほどお痛みになったとは想像も出来ませんでした。ひやした丈でどうやら納まったのならまアよいが。
十月は大体盲腸やチブスの季節である由。しかし、若し手術がいる場合、そちらではどうなさるのでしょう? どうかお大切に。この間のお手紙をよんで、面会のとき、それでは苦しくていらしたろうし、又却って歩いたり立っていたりなすった丈本当の意味ではマイナスになったのだったと残念でした。国男はやっときのう退院してかえりました。まだつとめには出ません。晒木綿の腹帯を巻いて居ります。
この前の私の手紙もう御覧になりましたろうか。もう上林へは戻らぬことお分りでしょうか。『中央公論』の一月に小説をかきます。だから、山の中にいたのでは駄目故ずっとこちらに居り、仕事がすんだら又一寸空気を吸いにゆくかもしれません。今頃ポツポツ私たちが上林や善光寺から書いたエハガキなど届き、私が上林へ又かえろうなどと云っている手紙がお手に入っているのでしょうね。