Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.952 Zeichen · 130 Bildschirme
八月三十日
今日は書き手が私の用事でもう出かけなければならないから、これでお止めにしてまたに致しましょう。ね冷えをなさらないように。こちらは大丈夫ですが。
名前だけがはみ出るとのことで一ページもうけました。この頃は気分がよほど普通になって来て、花を見たいと思ったり、音楽をききたいと思ったり致します。それに、いつの間にやら、スエコが育っていて、読んでいた色々の本の話やスエコの音楽論等と云うものを拝聴する時間が相当あって、思いのほか楽しい病臥生活です。スエコもあれではにかみやだものだから、音楽論等と云うものは門外不出ですが、こっそりもらす処をきけば、相当に目がつんでいて下等品ではありません。決して不肖ではないから一安心です。然し創造的な仕事は体力が消耗されるので、それと戦うのがこの頃の食物では一仕事で、しかも私のように死んだことがあると云うのでもないから、つい丈夫な身に扱われて折々閉口しています。
八月三十日 (消印)〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 コロー筆「樹陰」(一)、柚木久太筆「八甲田の一角」(二)の絵はがき)〕
(一)二十六日附の御本の要件について。