Japanische Klassiker mit Furigana
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げんかくさんぼう
玄鶴山房
Lesen Sie 玄鶴山房 (げんかくさんぼう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.434 Zeichen · 25 Bildschirme
彼の柩をのせた葬用馬車は一輛の馬車を従えたまま、日の光も落ちない師走の町を或火葬場へ走って行った。薄汚い後の馬車に乗っているのは重吉や彼の従弟だった。彼の従弟の大学生は馬車の動揺を気にしながら、重吉と余り話もせずに小型の本に読み耽っていた。それは Liebknecht の追憶録の英訳本だった。が、重吉は通夜疲れの為にうとうと居睡りをしていなければ、窓の外の新開町を眺め、「この辺もすっかり変ったな」などと気のない独り語を洩らしていた。
二輛の馬車は霜どけの道をやっと火葬場へ辿り着いた。しかし予め電話をかけて打ち合せて置いたのにも関らず、一等の竈は満員になり、二等だけ残っていると云うことだった。それは彼等にはどちらでも善かった。が、重吉は舅よりも寧ろお鈴の思惑を考え、半月形の窓越しに熱心に事務員と交渉した。
「実は手遅れになった病人だしするから、せめて火葬にする時だけは一等にしたいと思うんですがね。」――そんなもついて見たりした。それは彼の予期したよりも効果の多い※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)らしかった。
「ではこうしましょう。一等はもう満員ですから、特別に一等の料金で特等で焼いて上げることにしましょう。