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Japanische Klassiker mit Furigana

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げんだいしょうせつてんぼう

現代小説展望

豊島 与志雄

Lesen Sie 現代小説展望 (げんだいしょうせつてんぼう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.254 Zeichen · 70 Bildschirme

Aozora Bunko

朝早く、東がやっと白みかけたころ、森の中で、一本の木が斧で切られている。その斧の不思議な音が、森の中で繰返される。鶺鴒が別な木の枝に逃げる。

下では斧がますますこもった音をひびかせ、みずみずした真白な木屑が露を帯びた草の上へ飛んで、一撃ごとに軽い裂けるような音が聞えた。木は身体全体をびりびりふるわせて、その根の上で喫驚したように揺れながら、曲っては素早くもとへ返った。一瞬間すべてはひっそりと静まり返った。が、また木はぐっと曲って、その幹の中でめきめきと裂ける音が聞え、そして小枝を折ったり、大枝をへしまげたりしながら、しめった土の上へ横ざまにどっと倒れた。斧の音と人の足音とは静になった。鶺鴒は一声鳴いて高く舞い上った。彼がその翼でひっかけた枝は、暫く揺れていてから、他の枝と同じように、葉もろともに静まった。木々は新たに出来た空間に、一層歓ばしげにその動かない枝を張った。

太陽の第一線が、透明な雲を貫いて空にその光を投げ、やがて大地と天空とを一さんに駆けぬけた。霧は浪をなして谷間に溢れ、露はきらきら光りながら緑葉の上で戯れ、透明な白い雲は大急ぎで蒼穹の面を散っていった。