Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
と返事いたしました。「わたくしもあとからお手伝いに行きますよ」というしまに見送られ、自動車の広い座席にわたくしはお土産の栄太楼の最中の折箱とちょこなんと並んで目黒に向いました。
別邸といいながら本邸造りです。四五段の石段を上ると玉石を敷き詰めた広場があり、蘇鉄の植込を前に控えてポーチの玄関という洋館でした。書生に迎えられて、つる/\滑る嵌木細工の床の上を気をつけて股を拡げて足を運びながら天井を眺めますと夏蜜柑の皮の裏のように丸くぽっこり抉れている真ん中に大きな水晶の簪のようなシャンデリアが沢山のぴら/\を垂らして釣り下っています。
絨氈が敷きつめられて昼間でも電灯のついている応接間から子供の騒ぐ声が聞えて来ました。その部屋の入口で女中を連れた一人の婦人に会いました。
「蝶ちゃんでしょう。まあ/\/\よくね」と言いました。わたくしは直ぐこれが夫人だと判りましたので一つお叩頭をしました。すると婦人は私の肩に手をかけて、
「綺麗におけい/\(お化粧)が出来て、おべべ(着物)もよくお似合い」
そう言って夫人はわたくしの袂の八ツ口の根元を指先で抓み、指先の早業で下着の裏や襦袢の地質を検め見ました。