Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
のぼせるような気もするが、あとは白々と寂しいガーゼのタオルで撫で拭われたように何だかしーんと気が澄む気持ち。
田園の外れは花畑らしく緑色の框のフレームも見えます。刈り残された紅や黄の花の向うに松林が取巻いていて、神楽の囃しが響き出しました。右の方で聞えるかと思えば左の方で聞えます。
わたくしは三度目の息をほーっと吐きました。するとどこに残って溜っていたのでしょうか、悲しみに少し甘酸っぱい味がついて、それが胸を蜜柑の房のように絞るとその悲しみは嵩を増して来て、くいくいとまた泣き歔欷りが二つ三つ立て続けに出ます。出そうで出ない泣き歔欷が一つ咽喉元につかえます。これを催し出すには顔を泣顔にすると気持よく出そうな気がしますので、うえーという顔を拵えて待っていると、誘われてくい/\と出て来ます。そのときの気持といったら世にもなつかしい感じが致します。
このとき、しまが手に一ぱい秋の野の花を抱えて戻って来まして「さあ、うちへ入って、みんなと一緒に神社のお祭りへ行くんです」と言って自分でそこにいた蝗を巧に捉えてわたしの手に一疋握らして呉れました。私は少し脅えにぎゅっとそれを握りながら、もう、あんな茨の館へは帰り度くない。