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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

そう、たいして広い間口の店さきもなく、圧倒するほどの大商店もなく、軒並に均しに明るさと繁昌を湛えて、殊に商品はどこの店でも可なり充実しております。格安でモダーンで、そして洒脱でなければいけない。この種の下町の顧客の需めに応ぜられるよう、どこか材料の一部分を切詰めてあることは判りながら見た様子は、自ずと手を出して身近かに引寄せ度い、やゝ艶を消した水調子を持っております。

寮に滞在中、池上はわたくしの退屈を紛らすために、本宅の倉庫から輸入品の残品のきれなど取寄せてわたくしに宛がいました。その中に墺太利のウヰーンの品を、独逸商館の手を通じて試入した服地が二品混っていました。「何というねびた色柄でしょう」わたくしはそれを取上げて眼を細めました。池上は「あすこの趣味は、独逸とフランスと混っている。また、地に欧洲の古都の伝統文化が燻ぶって歎いているからだ」と言いました。「行って来た人の話によると、料理なども洒落ていて、巴里などよりも小味があるそうだ」

そういうウヰーンの服地のことや池上の言葉を、この人形町の品物を眺めて不意に思い出したのは、どこかあのウヰーンの品に似通ったものがあるからではないでしょうか。