Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
と評しました。山姫というのは神と山獣との混血児みたようなものだそうです。
陽当りで雪の解けた場所もあります。宿の主はそこの岩の根の土を少し穿ってみて、蕨の芽が出かゝっていると、わたくしに見せて呉れました。五月の頃は、これが大きくなり、女持のステッキほどのも採れるという話。
山頂から眺めた四方の景気。きょうは曇っていました。空は一面に波型の残った砂浜のように、明暗の雲をだんだらに並べたまゝ、ちょっとも動きません。どこからともなく鈍い光がさしております。見晴るかす山また山には悉く雲がかゝり、その雲は南の方は捲いていますが西の方は展べた形です。そして全体としてゆる/\北へいざっています。眺めようによっては雲海から抜き出ている山の頭が揃って南の方へいざっているようにも取れます。何という憂愁な景色でしょう。払い切れない憂愁に山々も根を動かして揺ぎ逃れようとしているのではありますまいか。寒いので、ふとポケットへ手を入れると、先生の小さなパイプが手に当りました。わたくしはそれを伊達に口に銜えます。そうして、また、この景色を眺めているとわけも知らない涙がぽろ/\と零れました。