Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
という前触れで出かけたのでした。果してわたくしはそこまでは行けませんでした。外輪山の頂上を外部へ越えてから、牧場の柵に捉ってだら/\下りに、長七郎山の晴れた眺めを見渡しながら、水楢や白樺の林のある尾根道を過ぎて朋不知坂という坂へ一足かゝると、わたくしはもう帰ると言い出しました。宿の主も、その方がよいでしょうと無理に勧めませず、道端の雪にマントを敷き、少しお昼には早いお弁当を使いながら、主はこの方面の名所旧蹟のことをいろ/\口で話して呉れました。この道先きは行者たちが拓いたもので、名所旧蹟がそのまゝ難所になっているところが沢山あるそうです。弁天窟、鳴竜滝、天狗の御庭、薬師岩、胎内潜り、不動滝、――名前を聴いただけでも宗教と自然とを結びつけ、そこに神秘な世界を現実に見ようとする人間不可避の慾望が現れている気がします。国定忠次が追われて、その中に病を養ったと伝えられる忠次の窟も、この道の下の滝不動の近くで、他の窟同様、もとは行者の修道の場に使われていたそうです。「うちに泊っている行者さんね、あの人は滝不動で一週間の断食をして、いま断食のあとの食養いをしているところです。