Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
その間に、拍子木は木ではあるが二本は互に必要といったような情合も生れ出たのでございましょう。
二人は町外れの藍染橋の下を住居にして、そこからこの郭のうちを縄張りに、日々、常得意や、物色した行人から一銭ずつを乞い集めるのでした。
乞う金の額を一銭に限るということも誰教えねど自ずと経験から、慾無しと呼ばれることが却って取得の多いのを白痴の一本調子に覚え込み、永年それを金科玉条にして護り通して来たのでした。
二人は手をつないだまゝ霙の中を進んで行きます。もし行人で二人の姿を見て佇む様子に動くこゝろがあるらしいと見て取れば彼等は、乞食のカンで察して猶予なく歩み寄り、「一銭頂戴な」と掌を差出すのでした。男の客には男乞食が、女の客には女乞食が、こゝにも何か自然の躾けがあるらしく見えました。そして一人が恵み手から銭を乞い受ける間、一人はあとに退っていて尋常に待っているのでした。けれども繋いだ手はどんな場合にも絶対に離しません。確と握り合うそのことが生活の看板でもあるように、また、継ぎ合わして一人前のいのちとなるその大事な結び目のように。
都を遁れ出ましてから指折り数えると、もはや五月あまりにもなりましょうか。