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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、このおじさんには、手荒には違いありませんが、結局こっちに何の負担をも感じさせず、感じるのは中年過ぎの分別もあり端的でもある熱い男ごころだけでした。その強引の手の先は、自分の心臓の血を塗ってむん/\腥いにおいがするようです。わたくしはこの手紙を読んだあと、危く前へひかれて涙ぐみながら、

「おじさん、もう駄目よ/\」と口の中で呟き叫びましたが、やはり、待てしばしと思いました。わたくしはこのおじさんから、わたくしが他の男から取出さなかった純性に燃えたものを引出すほど、わたくしの女なるものは成長したらしいですが、なおこのおじさんがわたくしを独占するには若さと積極性が足りませんでした。わたくしは当時二十三の娘でした。姿形は別としても、このおじさんはなお青春に於てわたくしに均合いませんでした。このおじさんが運命や因習から染みつけられ、おじさん自身ずいぶん骨折って拭い去ったつもりでもなお染み残っている老醜の気がありました。おじさんがそれを悉く脱ぎ去って、そう、わたくしと同じ二十三の青春に蘇り切れたら、わたくしは彼の恋人にでも結婚の相手にでもなってやろうとそのとき思いました。