Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うまれいずるなやみ

生まれいずる悩み

有島 武郎

Lesen Sie 生まれいずる悩み (うまれいずるなやみ) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.587 Zeichen · 100 Bildschirme

Aozora Bunko

私ハイロイロナ構図デ頭ガイッパイニナッテイルノデスガ、ナニシロマダカクダケノ腕ガナイヨウデス。オ忙シイあなたニコンナ無遠リョヲカケテタイヘンスマナク思ッテイマス。イツカオヒマガアッタラ御教示ヲ願イマス。

十月末」

こう思ったままを書きなぐった手紙がどれほど私を動かしたか。君にはちょっと想像がつくまい。自分が文学者であるだけに、私は他人の書いた文字の中にも真実と虚偽とを直感するかなり鋭い能力が発達している。私は君の手紙を読んでいるうちに涙ぐんでしまった。魚臭い油紙と、立派な芸術品であるスケッチ帳と、君の文字との間には一分のすきもなかった。「感力」という君の造語は立派な内容を持つ言葉として私の胸に響いた。「山ハ絵ノ具ヲドッシリ付ケテ、山ガ地上カラ空ヘモレアガッテイルヨウニカイテミタイ」‥‥山が地上から空にもれあがる‥‥それはすばらしい自然への肉迫を表現した言葉だ。言葉の中にしみ渡ったこの力は、軽く対象を見て過ごす微温な心の、まねにも生み出し得ない調子を持った言葉だ。

「だれも気もつかず注意も払わない地球のすみっこで、尊い一つの魂が母胎を破り出ようとして苦しんでいる」