Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Lesen Sie 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.598 Zeichen · 182 Bildschirme

Aozora Bunko

ここは小石川の一画で、大名屋敷や旗本屋敷などが、整然として並んでいて、人の通りが極めて少ない。南へ突っ切れば元町となって、そこを東の方へ曲がって行けば、お茶の水の通りとなる。

その道筋を通りながら、宮川茅野雄は歩いて行く。女巫女の占った運命のことなど、今はほとんど忘れていた。

(仕官しようか、浪人のままでいようか)

この日頃心にこだわっている、この実際的の問題について、今は考えているのであった。

(せっかく仕官をしたところで、長崎仕込みの俺の蘭学を、活用してくれなければ仕方がない。それよりもいっそ塾でもひらいて、門弟どもをとり立てようか)

師匠の青木昆陽が、その世間的の勢力をもって、茅野雄を諸侯に推薦していたが、肝心の茅野雄の心持は、大して進んでいなかった。と云って塾をひらいたところで、はたして生活が出来るかどうか? これが茅野雄には不安であった。どっちつかずの心持で、長崎から帰って今日で半年、ブラブラ遊んでいるのであった。放胆で自由で新智識で、冒険心もある茅野雄だったので、そういう今のような境遇にあっても、あえて焦心りはしなかったが、多少の屈託にはなっていた。